■ 敷地調査ってどうやれば良いの?
■ 敷地分析のポイントが知りたい
■ 設計課題に活きる方法が知りたい
建物が建つということは同時にその場所に変化をもたらすということです。同時に敷地環境が建物内部空間にも大きく影響を与えます。
敷地分析とはつまるところ、計画地を含めた場所の関係性を見出すことに他なりません。敷地と建物の良好な関係によって素晴らしい空間が生まれます。
敷地分析は誰がやっても同じということはなく、そこに設計者としての力量が現れるよ。
ふ〜ん。あんまり誰がやっても差はなさそうだけど…。
それが意外とそうでもないんだ。分析の解像度、視野の広さ、着眼点といったところに差が出るよ。
たしかに、良くそんなところに気付くなあって人はいるよね。
さらにいうと、その分析をどう設計に還元するかも設計者の力量次第だ。
● 周辺に対してオープンに設計するのか、あるいは閉じるべきなのか。
● どんなボリューム感がしっくりくるのか。
● 敷地のどこに配置するのか。
● ピロティや窓はどのように設けるか。
敷地分析をしながら設計で考えることはたくさんあります。
それほど敷地分析は設計に大きく影響を与えるということです。
敷地分析がうまくいけば、設計で的外れなことをしてしまう可能性も減りますし、設計案が飛躍することもあります。
この記事を読むことで設計課題のベストなスタートダッシュを決めることができるはずです!
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敷地分析の手順
設計課題初期の進め方は設計案を根本から左右しますので、後々の評価に大きく響きます。
順調なスタートダッシュを切れるように敷地分析をマスターしましょう!
以下の3ステップで各ポイントを解説します。
下準備
実際に敷地にいくと空から全体を見渡すことはできませんので、あらかじめ敷地図(Google MAPなどで良い)で広域の情報はインプットしておきましょう。
敷地に行ったときの第一印象はとても大切、先入観を持たないように、ざっと調べる程度で良いと思います。Google MAP で歩き回るなどは現段階では不要だよ。
あえて調べすぎないってことだね!
調べるポイントは以下の通りです。
■ どのように敷地へアクセスするのか?(交通機関はある?どの道路を使う?)
■ 周辺にはどういった建物や自然環境が配置されているのか?
■ 高低差はあるのか?
敷地に着いてから
敷地調査で得た情報や印象は大きく設計を左右します。
すでにこの段階で案の方針が明確に見えることもありますので心して取り掛かりましょう。
設計のスタート段階である敷地調査で方向を間違えてしまうことを避けるため、有効な方法をお伝えします。
設計課題を円滑に進めるための調査ポイントは以下です。
■ 敷地見学はできれば2周する
1周目:写真撮影やスケッチはせずに、雰囲気を感じ取ることに集中
2周目:徹底的に撮影(撮影可能な範囲のみ)
■ 写真は多すぎるくらいに撮る
(動画も有効なのでおすすめ)
■ 朝/昼/夜の時間帯ごとの状況を観察する(複数回に分けても大丈夫)
■ 最寄駅と敷地の往復経路をチェック
■ 周辺の主要地点も併せてチェック
結構ポイントが多いなあ
具体的な敷地分析のポイントは後述します。
敷地調査から戻ってきたら
敷地調査をして色んな発見やひらめきが湧いていると思いので、
熱が冷めてしまう前に次のステップに進もう!
まず着手することは以下の通りです。
■ 気が付いた点を列記する
■ 印刷して壁などに貼り出す
■ 敷地図を印刷して書き込みや写真を貼る
■ 敷地模型を作成する
■ どんな場所にしたいかイメージを膨らませる
敷地図や敷地模型はできれば2つのスケール(例えば1/1000の広範囲模型と1/100の近場模型)を準備できると分析の解像度が上がるのでおすすめです。
具体的に作り込むか抽象的に留めておくかの違いでも見えてくるものが変わります。
敷地分析のチェックリスト
具体的にどのような点をチェックすべきかご紹介します。詳細に、だけど直感的に分析することを意識してください。
以下は実際の設計内容に直結する必ず押さえておかなければいけないポイントです。
このポイントが全く考えられていないと、減点になる可能性があると思った方が良いでしょう。
設計課題の際のチェックリストとしてご活用ください!
- 敷地の印象(賑やかさや落ち着きなど)
- 周囲のスケール感
- 周囲の自然環境
- 方角
- 日照・風・温熱環境
- 風景
- 地形
- アクセス(交通手段や経路)
- 敷地からの眺望
- 周辺からの敷地の見え方
- 人々の活動
- 歴史
- その他敷地固有の特徴
不思議なことと思われるかも知れませんが、同じ敷地を分析しても多くのことに気が付ける人と気が付けない人がいます。
気が付ける人は、観察力が高いか独自の視点を持っています。
多くのことに気付けるということは、説得力の高い設計案や、独自性の高い設計案につながる可能性を大きく高めます。
分析に役立つ3つのコツを紹介!
- いくつかのスケールでチェックする
- 俯瞰とアイレベル両方からチェックする
- ”誰か”になりきってチェックする
いくつかのスケールでチェックする
スケールごとに見えてくることは違います。
1/10000、1/2000、1/1000、1/500、1/200、1/100、1/50、1/20…とスケールを変えることはカメラのフィルターを変えるようなものです。
同じスケール感で発見できることを出し尽くしたなと思ったら別のスケールで見てみましょう。
いくつかのスケールから敷地を眺めることは、簡単な割に効果のあるお勧めの方法です。
参考までに、『Powers of Ten』という有名な本を紹介させてもらいます。
スケールのダイナミズムに引き込まれる魅力的な一冊です。(映像版もあります。)
俯瞰とアイレベル両方からチェックする
今度は、敷地を見る目線の高さを変えましょう。
俯瞰とは空からの視点で、アイレベルとはその場所に立った人の視点(150~160㎝程度)のことです。
場合によっては、子供の視点や車椅子の人の視点から敷地を見るというのも有効です。
スケールを変えることと同様に、視点の高さを変えることで新しい発見が見つけやすいと思います。
”誰か”になりきってチェックする
最後は、別の誰かになったつもりで敷地を見てみましょう。
例えば、
この敷地に住み始めたばかり人だったらどんな日常を送るのか?
この敷地に初めて訪れた人だったら?
この敷地に何十年も住んでいる人だったら?
この敷地に働きにくる人だったら?
別人になることで敷地に対して多角的に、真剣に向き合うことができます。
【まとめ】敷地分析から設計の糸口を見つける
設計課題に活きる敷地分析の方法を解説しました。
良い設計をするためにはしっかりとした敷地分析が欠かせないってことが伝わったかな?
うん!敷地調査と分析はもはや設計の一部だね!
敷地分析は誰が行っても同じというものではなくて、そこから何を見出すのか、設計者の技量が試されます。
当然、設計内容や課題の評価にも影響します。
敷地手順の順序とポイントをおさらいすると以下の通りです。
・ どのように敷地へアクセスするのか?(交通機関はある?どの道路を使う?)
・ 周辺にはどういった建物や自然環境が配置されているのか?
・ 高低差はあるのか?
・ 敷地見学はできれば2周する
1周目:写真撮影やスケッチはせずに、雰囲気を感じ取ることに集中
2周目:徹底的に撮影(撮影可能な範囲のみ)
・ 写真は多すぎるくらいに撮る(動画も有効なのでおすすめ)
・ 朝/昼/夜の時間帯ごとの状況を観察する(複数回に分けても大丈夫)
・ 最寄駅と敷地の往復経路をチェック
・ 周辺の主要地点も併せてチェック
・ 気が付いた点を列記する
・ 写真を印刷していつでも見られるように印刷する
・ 敷地図を印刷して書き込みや写真を貼る
・ 敷地模型を作成する
・ どんな場所にしたいかイメージを膨らませる
具体的な分析ポイントは以下の通りです。
- 敷地の印象(賑やかさや落ち着きなど)
- 周囲のスケール感
- 周囲の自然環境
- 方角
- 日照・風・温熱環境
- 風景
- 地形
- アクセス(交通手段や経路)
- 敷地からの眺望
- 周辺からの敷地の見え方
- 人々の活動
- 歴史
- その他敷地固有の特徴
敷地分析がうまくいけば、設計で的外れなことをしてしまう可能性も減りますし、設計案が飛躍することもあります。
当記事を読んで設計課題のベストなスタートダッシュを決めましょう。
ではでは。