■ どうすれば設計課題で評価されるの…?
■ なんであの人が評価されているか分からない!
■ 評価を上げる方法を教えて…!
ほとんどのテストには「答え」があるけど、設計課題に模範回答はないよね。
それが設計課題の難しいところだよね。毎回どうすれば案になるのか、頭を抱えているよ。
そうした建築学生がほとんどだよね!でも、模範解答のない設計課題でも、確実に上位に入る案をつくることはできるんだよ。
えっそんなことできるの??
うん!しかもどんな作風の人にも共通する方法だよ。
知りたい!教えて欲しい!!
その方法は、設計課題のたった3つの評価軸を抑えるってことなんだ。
3つの評価軸??
模範解答はありませんが、設計課題には明確な評価軸が存在します。
その評価軸に絞って高得点を取れるように頑張るだけです。
ほとんどの学生が漠然とよく分からないまま設計課題に取り組んでいると思いますが、目的が絞られるだけでも結果は大きく異なります。
細かなテクニックではなく、設計課題を根本から攻略する話しですので、ほとんどの設計課題や卒業設計や修士設計にも有効です。
この記事を読めば、狙って上位1割に入ることが可能です。さらに上手くいけば学年1位や全国区での賞歴も獲得できるはずです。実際、私は私は9割以上の課題で優秀賞を取ることができましたし、某卒業設計展の賞も受賞しています。
「どんな提案をすれば設計課題で評価されるのか?」
この質問にハッキリと答えられる人はほとんどいないでしょう。講師陣でさえ答えられる人はあまりいないと思います。
その質問にお答えすると、以下のようになります。
『3つの評価軸を理解し、その総合点を確保する』
そして早速ですが超重要な「3つの評価軸」は以下の3つです。
「厳密性」
「重要性」
「面白み」
具体的に解説していくよ!
気になる!
これまでの記事やinstagramの設計力を上げる方法の総まとめ記事です。体系的に学べます。
コンセプトメイキングに関する情報の完全版です!これさえ読めば問題ありません。
1000冊以上読んだ私がつくりました。ここから選べば間違いありません。
課題中盤~後半に活用すれば評価アップ間違いなし。
「 厳密性 」で設計案に説得力を持たせる
1つ目のポイントは、設計案に「厳密性」を持たせることです。
厳密に考え抜かれた設計案によって、評価をする側へ説得力を感じさせることができます。
反対にいい加減さが見えてしまうと、評価側は一気に心が離れてしまいます。
▼以下に「厳密性」の具体例を挙げます。
- 論理的一貫性:
語っている説明に矛盾はないか?
コンセプトと設計内容が一致しているか? - 与条件の読み込み:
課題文に沿った案になっているか?
敷地条件を正確に読み取っているか? - 設計内容の精度:
明らかに破綻している部分はないか?
細部まで検討されているか?
厳密に考えられた案というのは非常に説得力があり、否定のしようがありません。考えし尽くされた案はぱっと見で分かります。
コンセプトと設計内容に一貫性があれば間違いなく評価が高まります。コンセプトの正しい作成方法は次の記事を参考にしてください。
➡︎ コンセプトの考え方と事例紹介はこちら
敷地は欠かすことのできない設計与件です。設計課題のスタートダッシュで失敗しない敷地分析の方法は次の記事をご覧ください。
➡︎ 敷地調査と分析方法はこちら
「 重要性 」で設計案に深みを持たせる
2つ目のポイントは、設計案に「重要性」を持たせることです。
設計内容に重要性を持たせることで、単体の設計課題の枠を越えた「意義」を感じさせることができます。
▼以下に「重要性」の具体例を挙げます。
- 社会的意義:
社会的な問題を解決しているか?
地域社会に貢献しているか? - 建築の専門性に触れている:
建築を技術的に進歩させているか?
プログラムの可能性を広げているか?
設計案として提示した取り組みに『意義』を感じるとき、多くの人の賛同を得ることができるでしょう。
独りよがりではなく、社会・地域・技術などのいずれかに貢献している必要があるよ。
多くの人が実現に向けて背中を押したくなるような計画を目指そうってことだね!
重要性のあるテーマ設定はいきなり思い付くものではありません。建築雑誌等を読んで学んでおく必要があります。代表的な建築雑誌はなるべくおさえましょう。
➡︎ 学生がおさえるべき建築雑誌と読み方
「 面白み 」で設計案に引き込む
3つ目のポイントは、設計案に「面白み」を持たせること。
提案内容に備わっている面白さ=興味深さに、評価をする人は自然と引き込まれ、深く関心を持ってもらえるでしょう。
▼以下に「面白み」の具体例を挙げます。
- 新しさ:
既視感のない設計内容になっているか?
新規の技術(解析ソフトなど)が使用されているか? - 意味の転換:
従来の役割とは異なる機能を担っている
ありきたりな見慣れたものが新鮮な効果を発揮している - 言語化不可能性:
言葉にできないが、直感的に「良い」と感じる
なぜだかシンパシーを感じる
実は、この3つ目は一番実践するのが難しいポイントだよ。
「面白み」が滲みでている提案ができるのは、だいたい下のどちらかの人だね。
- 建築への理解度が非常に高い人
- 芸術家として自身の関心事を探求している人
なかなか上級者向けってことだね。
なんとなく学年が上がってから「面白み」っていうのがわかる気がしてきました。
この3つ目の「面白み」が扱えるようになったら設計上級者ですが、適切に勉強をすれば誰でも身につけることができます。建築理解が深まる効果的な学習方法は次の記事をご覧ください。
➡︎ 設計力が上がる勉強方法
コンセプトにもなる、「面白み」をもったテーマ一覧を紹介しています。「面白み」がいまいちピンとこない方は次の記事を参考にしてください。
➡︎ コンセプトの考え方と事例紹介はこちら
3つの評価軸はアンバランスでも問題ない
ここまで「3つの評価軸」を見てきましたが、3つ全てにおいて高いレベルで実現する必要はありませんので安心してください。
というよりも、上位者の案を見るとどれか1つないし2つのみが突出しているパターンがほとんどです。
どの形のパラメーターでも問題ないよ。合計点が高ければOK!
ひたすら論理性を追求できる人もいれば、斬新な提案が得意な人もいます。
自分なりの長所をのばしていけると良いですね。
評価軸を念頭に置き、自分で自分の設計案を評価する
評価軸がハッキリしたことで、以前よりも目標が明確になったと思います。目標が明確になったことで、ある程度自分の案を客観的に評価できるようになったと思います。
とはいえ、始めから評価能力が高いわけではないと思いますので、評価能力を高める方法を紹介します。
上位の案を自分なりに採点し、分析しましょう。
そして3つの評価軸ごとに10点満点として採点してみてください。
「自分的評価」と「講評会での評価」がかけ離れている場合は、おそらく読み取れていない「何か」があるはずです。
それを分析し、フィードバックしましょう。
分析を繰り返していくうちに、かなりの精度でセルフ講評会ができるようになります。
とくに客観的評価が苦手な人は、『設計課題の評価を上げるセルフチェックリスト100』の活用をお勧めするよ。
私はこのチェックリストを活用するようになってから、失敗したなあってことが一気に減りました。課題のたびに欠かさず使っています!
このチェックリストを見ながら設計していれば、講評会で質問されて困ることがほとんどないよね!
まとめ:3つの評価軸で設計課題を攻略
多くの学生が漠然と設計課題に取り組んでるなかで、3つの評価軸があることを知っていれば、確実に設計課題の評価を上げることができます。
訳も分からず、評価が得られず、苦労している学生が多くいるように思います。
そうした学生を減らしたいという想いから、「設計課題の3つの評価軸」を言語化して解説しました。
まだ抽象的な部分はありますが、いくらか方向性は見えたんじゃないかと思います。
- 「厳密性」
- 「重要性」
- 「面白み」
- 3つの評価軸の達成度はアンバランスでも問題なし。自分なりの道を模索しましょう。
- 自分の案を客観視して、セルフ講評会を行いましょう。
ではでは。