■ 建築家ってどんな職業?
■ 建築家ってどういう人がなるの?
■ 自分にもなれる…?
こうした疑問に現役建築家の私がお答えします!
はじめに一つお伝えしておくと『建築家』という言葉はしっかりとした定義があるわけではありません。
『建築家』というのはとても曖昧な言葉ですので、私なりの解釈も交えながらお話しします。
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【よくある質問】建築家と建築士の違い
「建築士」と「建築家」は混合されがちですが、意味が違います。
まずはこの違いをはっきりさせるところからスタートです!使うときはお間違えのないように。
「建築士」とは有資格者のことを指します。
東京建築士会では以下のように定義しています。
建築士は、「建築士法」に定められた資格をもって、建物の設計・工事監理を行う建築のプロフェッショナルです。
建築士は、一級、二級、木造の3つの資格にわかれており、建物の規模、用途、構造に応じて、取り扱うことのできる業務範囲が定められています。
この資格は、国家(知事)試験により国や都道府県から与えられたものです。
一級建築士、二級建築士、木造建築士と種類があり、これらの違いにより設計することができる構造や規模が異なります。
例えば超高層と住宅の設計では、必要な資格が違います
そして「建築士」の資格を有し、かつ一定の条件をクリアすることで自分の建築設計事務所を構えることができるようになります。
対して「建築家」というのは資格の有無とは関係ありません。
いってしまえば資格がなくとも「建築家」と名乗ることは可能ですし、
逆に資格を持っていても「建築家」とはいえない人もいます。
ただ構造や規模によっては資格がないと設計すらできませんので「建築家」と名乗る人の多くは「建築士」の資格を持っています。
「じゃあ建築家って何者なの…??」
と、疑問が深まってきたところで本題に入ります!
建築家とはどんなことをする人なのか?
JIA 公益社団法人 日本建築家協会 では「建築家」を以下(一部抜粋)のように説明しています。
建築の理念を考え、形を創造し、建築の設計・監理を統括するのが建築家です。
機能や美しさ、快適さ、経済性、適正な価格、さらに地域、地球環境まで、すべてを考えた空間環境をつくり、社会に貢献します。建築家は周辺環境、街並み、地域文化、歴史、風土、地球環境との関係をデザインします。
一つの建築が街や、地域、持続可能な地球を創っていくものと捉えて、敷地という枠を超えて考えます。
時代の変化を捉えながら、長期的な未来を見据え、様々な分野の方々と協働し、建築家は文化的価値を創造します。
抽象的なので、ちょっとだけイメージが難しいかもしれないですね。
もうちょっと別の角度から説明してみます。
私なりの定義になりますが、建築家とは
建築の「デザイナー」であり「芸術家」であり「技術者」、この三役を同時に演じる人
のことです。
- 『デザイナー』として諸条件を整理し、問題があればそれを解決しながら、そこに形を与えるのが建築家です。
- 『芸術家』として思想を抱き、自己や社会の内側にあるものを表現するのが建築家です。
- 『技術者』として知識や経験値を活かし、定量的に物事を把握して解答を導き出すのが建築家です。
建築家は結構色んなことをします
建築家によって、この三役の強弱はあります。アーティスト気質な人もいれば、学者気質な人が居たりもします。
「建築家」という定義が曖昧なのは、「建築家」という職能がものすごく広いからかもしれません
建築家が目指すこと
建築の究極的な役割を考えてみるとそれは「建物を享受した人を幸せにすること」です。
そして、それを実現しようとするのが「建築家」です。「建物を享受した人を幸せにする」ための道筋は多岐にわたります。
JIA 公益社団法人 日本建築家協会 の文章にもありましたが、快適さ、美しさ、地域貢献、歴史、環境、文化…、挙げていくとキリがないくらいに建築に関わる要素は沢山あり、これらの要素を踏まえて、建築家はどのように「建物を享受した人を幸せにするのか」を考えます。
有名な建築家をほんのちょっとだけ紹介
超有名建築家を数人だけ挙げてみます。
HPを貼っているので、ぜひご覧になってみてください。
どの建築家の作品も、魅力的なものばかりです!
日本の代表的な建築家
海外の代表的な建築家
もっと色んな建築家を知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください!
➡︎ 必ず知っておきたい、建築学生が学ぶべき超有名建築家12組を紹介【日本編】
どんな種類の建物があるか?
建築家が手掛ける建物には様々な種類があります。
- 住宅
- ホテル、旅館
- オフィス
- 店舗
- 美術館
- 学校
- 図書館
- 病院
- 老人ホーム
- 工場
- 倉庫
- 劇場
- 映画館
- 展示場
などなど、上にあげたものでも一部です。
こうした建物の種類のことを業界の人は『プログラム』と呼びます
既存のプログラムはたくさんありますが、時代とともに新しいプログラムが生まれることもあります。
例えば「シェアオフィス」や「ファブカフェ」というのは昔はありませんでした。蔦屋で「カフェ」と「本屋」が合体なんてことも新しい流れです。
建築家は社会の変化を敏感に読み取って、誕生してからまだ日の浅いプログラムにもアンテナを貼っておく必要があります。
また、建築家は新しいプログラムの可能性を切り開くというのも役割の一つです。
代表的な例だと、仲建築設計スタジオの『食堂付きアパートメント』があります。この建築は、SOHOと食堂、シェアハウスからなり、それらの関係性を巧みに設計して豊かな空間を生み出しています。
これまでにないプログラムの組み合わせによって、新しい可能性を提示することも建築家の役割の一つです
建築家になりたい方へ
建築家という言葉が曖昧なのは説明した通りですが、魅力的だなと思って頂けたら嬉しいです。
そんな方へお勧めなのが建築家を目指す建築学生向けブログ『ケンチクカノオト』です。
結局私のブログの宣伝みたいになってしまいました…
「ケンチクカノオト」では、早くて簡単で、手っ取り早く効果のある小技やテクニックはほとんど紹介しません。そうした小技やテクニックは、50点を55点や60点にはしてくれるでしょう。
でもそれだけでは建築家への道のりが遠いことは、誰が見ても明らかです。
「ケンチクカノオト」が目指すのは、読んで下さった方々の点数を、80点や90点にすることです。
このブログを読んで、建築に向き合い、設計課題に取り組んだ建築学生が建築家になってくれたらとても嬉しいです。
特に人気の記事をちょっとだけご紹介しますので、
よければ目を通してみてください
ではでは。
また他の記事でお会いしましょう!