【建築模型の作り方|始めの一歩】建築学生が良く使う材料と道具を紹介

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【始めの一歩】ということで、特に頻繁に使う材料・道具を紹介します。

「建築模型」は課題のとき超重要な役割を果たします。

常に一緒にいる相棒のような存在が「建築模型」です。

初めのうちは模型製作に苦戦して当たり前です。
何個も何個も作っていくうちに徐々に上達します。

実際の使い方を説明していく上で【 始めの一歩 】に最適な模型として、

「一辺10㎝の立方体」

を作る方法を説明していきます。

そして材料・道具の紹介を兼ねるために、

「3パターン」

の作り方を紹介したいと思います。

この方法を活用して、設計課題に活かしてもらえればと思います!

「3パターン」はこちら

  1. スチレンボードを面取りして「立方体」作る方法
  2. スチレンペーパーにケント紙を貼って「立方体」作る方法
  3. スチレンペーパーにジェッソを塗って「立方体」作る方法

※分からない単語があると思いますが、後々説明しますのでご安心ください!

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この3つの模型を作ります。

すべて良くある模型の作り方ですが、
初めての方からすると、結構盛りだくさんですので一個一個自分のものにしてもらえればと思います。

これまでの記事やinstagramの設計力を上げる方法の総まとめ記事です。体系的に学べます。

進路を迷っている建築学生必読。徹底的に組織設計事務所について解説!

1000冊以上読んだ私がつくりました。ここから選べば間違いありません。

課題中盤~後半に活用すれば評価アップ間違いなし。

当記事の内容

スチレンボードは最も良く使う素材です。
発泡ポリスチレンシートの両面に紙が貼られている、非常に加工しやすい材料です。

styrene board

厚みは[ 1,2,3,4,5,7mm ]と色々ありますが、今回は3mmを使うことにします。

カッターは先の尖った30°刃を使いましょう。この方が細やかに模型を作ることができます。

そして、カッターの刃はできれば黒刃を使いましょう。黒刃の方が切れ味が良く、切った断面が綺麗になります。
反面、黒刃は少し脆いので、段ボールなどの厚いものや硬いものを切るときは、普通の刃が良いと思います。

カッターマットは何でも大丈夫ですが、自分は上のものなどを使っています。※何種類か持ってます。

金属製の定規のことを「金尺」と呼びます。
プラスチックの定規ではカッターで欠けてしまうので、金属製を使います。
長さは15㎝、30㎝、60㎝の3種類をよく使います。

スコヤは物の直角が簡単に分かる便利道具です。
使い方は後述しますが、絶対に欠かせない道具です。

接着は、だいたいスチノリ(50cc)を使います!
たくさん使うので、あらかじめ詰め替えも買っておくと安心です。

一辺10㎝の正方形を6枚作っていきます。

金尺で10㎝を測り、カッターで跡をつけます。

how-to-use-ruler

次にカッターでつけた跡を利用して、スコヤを使います。以下のように材料の端にあてることで、簡単に垂直のラインがわかります。

How-to-use-model-tools

スコヤだと長さが足りないときは、金尺とセットで使います。

How to use model tools2

スコヤ(またはスコヤ+金尺)を使ってスチレンボードを切ります。

カッターで材料を綺麗に切るポイントは4つです。
これがマスターできればカッター使いは完璧です!

あとはこの手順を繰り返して、10㎝角の正方形を6枚作ります。

step2:カットしたスチレンボードを面取り

聞きなれない言葉だと思いますが、「面取り」をしていきます。

「面取り」とは、スチレンボードの片側の紙だけ残すことです。
以下のように行います。

Creation-procedure

この「面取り」した部分に、他のボードをつけることで綺麗に角が作れます。

まずはボードをあてて、厚み分の位置にカッターで跡をつけます。

「3mm測って跡を付ければ良いのでは?」

と思われるかもしれませんが、実は[ 3mm ]スチレンボードというのは、紙を除いた発泡ポリスチレンシートの部分が[ 3mm ]なのです。
だから実際は[ 3mm ]よりも紙厚分、分厚いのです…。

カッターで切れ込みを入れます。
一番下の紙まで切らないように優しくカッターの刃を複数回通します。
大切なのは、垂直に刃を入れることです。

側面からも慎重に刃を入れていきます。
手を切らないように気を付けて…。

刃の入れ具合が足りなかったら、何回か繰り返しましょう。

上手くいくと、ポロッと取れます。

そしてもうひと手間。
スコヤの後ろ側で優しくガリガリして、残った発泡スチレンシートを取り除きます。

面取りの工程は終了です。
お疲れ様でした。

まずは、4枚の[ 1辺 ]だけ面取りしたボードをくっつけていきます。

面取りした部分にスチノリを付けます。

そこに別のボードをくっ付けます。

スチノリは速乾性がそこまでないのですが、以下のように付けたり離したり、息を吹きかけながらネバネバさせるとすぐに固まります。

知っておくと便利な小技です。

4枚ともくっ付けていきます。

完成まで残りわずかです!

4辺とも面取りしたボードを上下に貼り付けます。

完成です!

設計課題でも活躍間違いなしの技術です!

綺麗にできるまで、何回かチャレンジしてみましょう。

スチレンペーパーも頻繁に使う素材です。
スチレンボードの紙が貼られていないバージョンです。
薄い厚みでしたら曲げることもできます

厚みは[ 1,2,3,4,5,7mm ]と色々ありますが、今回は3mmを使うことにします。

簡単にいうと、ちょっと良い厚紙です。
凹凸がほとんどなく、通常は絵を描くときに使われるみたいです。
(模型でしか使ったことないですが。)

スプレーのりは紙を貼るときに使います。

一辺10㎝の立方体をくるためには、以下のような大きさのボードを作る必要があります。

切り方は①と同じです。

カッター・金尺・スコヤを使います!

長くなってしまうので、切っている様子は割愛します。

②の方法は、面取りとかはせずに、シンプルに貼っていくだけです。

以下を目指して、スチノリで付けていきましょう。

立方体が完成したら、表面にケント紙を貼っていきます。

10㎝角にケント紙を貼ってから貼っても良いですし、以下のように立方体をケント紙にあてて切っても大丈夫です。

切ったケント紙をスプレーのり[77]でくっ付けていきます。

スプレーのりで部屋がベタベタにならないように、大きめの段ボールの中で吹いたり、屋外で吹くようにしましょう!

もしもベタベタになってしまったら、[ 20 ]スプレーを吹いて、ティッシュやキッチンペーパーで拭き取りましょう。

6面ともケント紙を貼り付けたら、完成です!!

完成した見た目は、①とほぼ一緒ですね。

ジェッソは、本来絵の具などの下地塗りに使うものですが、建築模型では仕上げとして使います。
紙とは違った質感にしたいときに使います。

ジェッソをムラなく綺麗に塗ることができる道具です。
使った後はすぐに洗わないと固まってしまい、2度と元に戻らなくなります。※買い替えがちです。

紙やすりは皆さんご存知ですね。
ちょうど良い荒さを使い分けましょう。

②の作り方と全く同じ手順です。

以下の大きさにボードを切りましょう!

こちらも②の作り方と全く同じ手順です。

同じように、10㎝の立方体を作りましょう!

楕円で囲ったあたりにできてしまっている微妙な段差をやすりで軽く削って平滑にしましょう。

完璧じゃなくとも、ある程度で十分です。

次に、スポンジブラシを使ってジェッソを塗っていきます。絵の具みたいに薄める必要はありません。
※ジェッソはリンクを貼った商品でも、こちらの写真の商品でも変わりはないです。

ペタペタ塗っていきます。

全部塗り終わったら、こんな感じになると思います。ちょっと塗りが薄いので、2度塗りをすることにします。

2度塗りするとこのようになります。
どこか漆喰っぽい、マットな質感になりました。

自分はジェッソの質感が好きなので、白い模型を作るときは大体③の方法を使っています!

ようやく3種類の方法とも完成です!本当にお疲れ様でした。

模型の作り方を3種類紹介させてもらいましたが、基本的に模型の作り方は自由です。

今回の方法を試したあとは、ぜひ積極的にアレンジしたり、新しい方法を編み出したりしてください!

模型材料も模型道具も無数に存在します。

画材屋さんに行って、色んな材料や道具を試してみましょう!

ではでは。

プロフィール

sen先生のアバター sen先生 読書好きの建築家

建築学科を卒業して、国内最大手事務所で働いていたらしい。現役建築家。
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