◼︎建築雑誌を読むのは大切?
◼︎建築雑誌ってどれを読めば良いの?
◼︎適した読むペースや読み方は?
建築雑誌は設計課題で評価を得るための最良の参考書になるよ。
なるべく見るようにはしているけど、そんなに雑誌って勉強になるんだ!
集中的に建築雑誌を何十冊も読んだ時期がありましたが、そのインプットでおきく成長した実感がありました。
そうだね!図書館にこもってひたすらインプットをする時期は、学生のみんなにとって、とても重要だよ。
この記事では確実に『設計課題のレベルが上がる』雑誌の読み方を紹介します。決して楽ではありませんが、この記事の内容を実践すれば設計課題で上位者に入るために必要な「建築の理解度」や「設計の引出し」が手に入ります。
これまでの記事やinstagramの設計力を上げる方法の総まとめ記事です。体系的に学べます。
進路を迷っている建築学生必読。徹底的に組織設計事務所について解説!
1000冊以上読んだ私がつくりました。ここから選べば間違いありません。
課題中盤~後半に活用すれば評価アップ間違いなし。
建築雑誌を読む必要はあるのか?
こうした疑問を持つ方もいるかも知れません。
私の考えは意匠学生であれば、建築雑誌を読むことは必須です!
読みめるだけ読みましょう。
建築雑誌を読むと得られる情報には以下のことがあります。
- 良いとされている建築事例を多く知ることができる
- 多くの建築家の設計意図を知ることができる
- 様々なアイディアを知ることができる
- 図面と写真をセットで見ることができる
⬇︎⬇︎⬇︎そうすることで身に付く能力は…
- 建築事例を知ることで、目指すべき方向性が見えてきます。
- 雑誌の文章を読むことで、その建築家がどんな設計意図を持って設計したかを知ることができます。
- 形や素材の使い方、その他諸々のアイディアを知ることで、それらを組み合わせたり、アレンジして自分の引出しにすることができます。
(※真似すればいいや、と安易な考えを持つのはやめておきましょう。) - 図面と写真を行き来しながら確認することで、どのように図面を書けば、最終的にどんな建築になるのか、イメージすることができます。
雑誌は学校の図書館や研究室に揃っていると思うので、
簡単に手に取れるのも良いところです!
代表的な建築雑誌の種類と概要
建築雑誌には多くの種類があるけど、今回は学生向けの観点で抜粋して紹介するよ!
それぞれ雑誌名をクリックするとページに飛ぶことができます。
- Casa BRUTUS
建築、住宅、インテリアを中心に、デザイン、アート、食、ファッションまで最先端に網羅。
(HPより抜粋) - 新建築
日本の現代建築を写真、図面等により詳細に紹介(HPより抜粋) - 新建築住宅特集
住宅を、建築としての切り口、住まい方への提案などから写真と図面で紹介、解説(HPより抜粋) - a+u
海外の建築情報を伝える日本唯一の月刊誌(HPより抜粋) - 商店建築
毎号最新の店舗デザインを紹介(HPより抜粋) - 住宅建築
「文化としての住まいを考える建築専門誌」を刊行スタンスとする隔月刊誌(HPより抜粋) - GA JAPAN
日本の新しい優れた現代建築のエッセンスを発信する隔月刊誌(本誌より) - GA DOCUMENT
現代建築の完全な記録を目指し、独自の視点から新鮮な情報を世界に向けて発信する建築専門誌 - GA HOUSES
世界各地の住宅を現地取材してゆくGAのシリーズ - EL Croquis
スペインの建築雑誌。世界のトップアーキテクトのみが特集され、大判(240×320)で写真が美しい
特に要チェックはこの3誌!
数多くの雑誌がある中で、私は特に以下3誌を頻繁に活用していました。
- GA JAPAN
- 新建築(新建築住宅特集)
- EL Croqu
繰り返しになるけど、雑誌を有効活用すれば建築の最良の参考書になるよ。
そんなに言われると…、もっと読まないとって思ってきた。
GA JAPAN は建築の理解度向上に役立つ
日本の新しい優れた現代建築のエッセンスを発信する隔月刊の建築専門誌。
本誌より
建築思想、理論、哲学、技術思想を多面的に照射しつつ、建築の本質に迫る本格的建築総合誌です。
最も信頼できる本格的建築雑誌だよ。
超厳選された建築のみが紹介されているイメージだよね。
その通り!作品も文章も、本質的なトピックのみが扱われているので、読み込むことをお勧めするよ。
【初級向け】
1年に1度の特集号「総括と展望」を中心に手に取ると大きな流れがわかります。
☟これら号です
【中級向け】
とにかく1冊でも多く読みましょう。
正直、どの号を読んでも非常に勉強になる雑誌ですので、単純に量を読むことが結果につながります。
大切な部分・気になった部分にはマーカーを引いたり付箋を貼ったりしましょう。
図書館の本の場合は、コピーを取ってファイリングしておくと良いと思います。
【超本気の方向け】
かなりハードな読み方です。
「1号」から順番に読みましょう。
1号は1992年に発行されたので、そこから号を追っていくと、現代建築の流れを早送りで見るように、リアルに感じることができます。
完璧に全ての記事を読まずとも良いので、適宜抜粋しながら号を読み進めると、実感を持って現代建築の流れを理解できます。
これを実践できれば、間違いなく建築理解度は〈学年トップレベル〉です。
近年のGA JAPANAは文章量が多く全てに目を通すのは大変だから、
まずは気になるトピックだけでも大丈夫!
新建築(新建築住宅特集)は情報収集に役立つ
網羅的に作品が掲載されており、データベース的な役割を担っている雑誌だよ。
毎月刊行だし、多くの建物が載っているよね!
網羅性が優れている雑誌だから、必ずしも全物件をチェックする必要はないよ。自分にとって必要そうな物件だけピックアップしていこう。
新建築は日常的に目を通す他に、物件情報を網羅的に集めたいときに役立ちます。
例えば
- 設計課題で「小学校」が出題されたとき。
⇨ 数年分に目を通して、小学校事例だけコピーして分析するといったことを実践していました。 - 「屋根」に特徴のある設計をしたいなと思ったとき。
⇨ 数年分に目を通して、屋根に特徴のある建築をピックアップして、その設計意図などを分析しました。
このように、プログラムやエレメントに注目して、一気に物件を集めたいときに活躍します。
情報収集は1〜2年程度だけではなく、5〜10年分は頑張って集めてみましょう!
建築は作るのに数年掛かるためサイクルが遅く、5年前や10年前の建築でも時代遅れとか、そういったことは全然ありません。
EL Croquis は海外建築の感動を味わえる
「エルクロ」と呼ばれる建築雑誌だよ。大判の写真がものすごく良い雑誌だ。
本当に写真がカッコ良くて、息をのむよね!
知っている限り、最もクオリティの高い海外の建築写真が掲載されている雑誌です。
いくら理論を理解していても、最終的には実物が全て、というのが建築です。
「エルクロ」の建築写真は、「空間の特徴」や「空気感」が見事に映し出されているように思います。
すごく視覚情報が詰まっているので、1枚ずつじっくりと時間をかけて読み込んでいきましょう。
補助的に用いるのはこの2誌
上記の雑誌がメインですが、さらに幅を広げたいのであれば、以下2誌もチェックしましょう。
GA DOCUMENT で海外の現代建築の動向を確認する
a+u で特集されたテーマを深掘りする
まとめ:建築雑誌を読めば、設計に必要な能力が身に付く
理想をいうと頻繁に目を通す号は手元にあるのが良いですが、全てを買い揃えるのは難しいので、図書館や研究室なども活用していきましょう!
一朝一夕ではありませんが、ご紹介した雑誌を地道に読んでいけば、設計に必要な「建築の理解度」や「設計の引出し」が身に付きます。
ではでは。