- いまいち設計課題の評価が上がらない…
- 時間を掛けて本気で取り組んでいるのに…
- 設計は悪くないと思うのだけど…
これまで後輩や就活生にアドバイスをする機会が多々ありました。
それもあって、百人以上の学生の設計案を見てきましたが、
「頑張ってはいるけれども結果が出ない」
という学生に共通する失敗ポイントがあると気づきました。
感覚的には8割くらいの人がどれかしらに当てはまっています。
なるべく早い段階で改善しましょう!
このポイントに当てはまっていないか確認して、設計課題の評価を上げましょう!
これまでの記事やinstagramの設計力を上げる方法の総まとめ記事です。体系的に学べます。
進路を迷っている建築学生必読。徹底的に組織設計事務所について解説!
1000冊以上読んだ私がつくりました。ここから選べば間違いありません。
課題中盤~後半に活用すれば評価アップ間違いなし。
失敗しがちな5つのポイント
▼失敗しがちな5つのポイントを設計の段階順に並べると…
- コンセプトが曖昧
- コンセプトに共感できない
- コンセプトと設計内容が合っていない
- 個性が示せていない
- コンセプトではない部分の表現に凝っている
どれも設計内容の良し悪しは置いておいて、学生の設計課題で頻繁に見られる失敗ポイントです。
頑張って設計しても、5つのポイントに当てはまっていると、思ったような評価を得られないので、非常に勿体無いです…。
頑張りが報われるためにも、一つ一つ解決していきましょう!
コンセプトが曖昧
非常に良くある失敗ポイントです。
そもそもどこを目指して設計しているのか?
目標が見えない設計案を良く見ます。
本人の中では目標のイメージがあっても、それが言語化されいないことが多いです。
見た人に伝わっていない…
百歩譲って、設計内容からそれが明確に伝わってくるのであれば良いのですが、多くの場合は本人自体が目標を見失っている可能性があり、設計内容からも迷いが伝わってきます。
あるいは単純に説明が上手くないということも…。
分かりやすく伝えることは簡単ではないので、説明文をつくる時間をしっかり取るのが良いと思います。
コンセプトに共感できない
「コンセプト自体が良くない」ケースです。
例えコンセプトが言語化されていたとしても、共感してもらえなければ設計は評価されません。
コンセプト立案段階から、間違った方向に進んでしまっている人が時折います。
方向性を間違えてしまうと、その後の設計が無駄に…
そうした人は極めて主観的な考えをコンセプトにしていることが多いと思います。
「建築」は絵画や彫刻と違って、ほとんどの場合クライアントなしでは作ることができません。
また、規模が大きくなれば多くの利用者に影響を与えます。
そのため、設計者は他人に「共感」してもらう能力があった方が良いと思います。
コンセプトと設計内容が合っていない
コンセプトが明確で、コンセプト自体も素晴らしいのに、コンセプト通りの設計ができていないケースです。
一番良くある失敗ポイント、かつ、非常に苦労するポイントだと思います。
コンセプトを立てたら、コンセプトを実現するために全ての設計を行いましょう。
配置、ゾーニング、プランニング、断面、立面、などなど全てです。
コンセプトと設計に一貫性がないと、説明を受けた側は混乱してしまいます。
もし設計を進めるうちにコンセプトが間違っていたと気が付いたら、改めてコンセプトに立ち戻って、全ての設計内容を見返しましょう。
何度でも見返しましょう!
どんなに立派な話術があったとしても、語っている内容と設計内容とズレていたら、元も子もありません。
個性が示せていない
設計は与条件があれば、ひとまず形にすることができます。
慣れてくれば、当たり障りのない計画にまとめることができます。
だけど…、そこに設計者なりの提案がなければ高い評価を得ることはありません。
完成度が高ければそれなりの評価を得られるかもしれませんが…。
個性があるかどうかと、良い設計なのかどうかは、関係ありません。
ただ、個性がないと他人には響かないというのが現実です。
例えば『幕内弁当』はそれなりに美味しいけども、絶賛することはないですよね。
それが『すき焼き弁当』だったらどうでしょう?
きっと、「美味い!!」と感動することがあるんじゃないでしょうか。
設計課題が相対評価である以上は、「個性」が必要になってきます。
どこにこだわったのか、どこが他の人と異なるのか、そうした点を有効にアピールしましょう。
コンセプトじゃない部分の表現に凝っている
模型やパース、諸々を細部までこだわりたい気持ちは分かりますが、
提案のコンセプトに関わりない部分ばかりにこだわって、むしろコンセプト部分が霞んでいることがあります。
本筋じゃない部分にこだわると時間が取られますので、
そのぶん、コンセプトに関わる提案内容に割ける時間が少なくなってしまいます。
模型・CG・図面・その他の表現は、全てコンセプトのために作成するようにしましょう。
失敗ポイントの解決策一覧
最後に、5つの失敗しがちなポイントの解決策を見ていきましょう。
設計課題の際は、ぜひ以下のことを取り入れてください。
- 一旦、失敗を恐れずに仮コンセプトを立てましょう。
設計中に変わるのが普通ですので、極論ひとつ目はなんでも良いです。 - コンセプトをはっきりと文字に書き起こしましょう。
頭の中だけで考えると話が複雑になりがちです。 - 友達に説明して、色々質問してもらいましょう。
誰かと対話することで、ものすごく頭が整理されます。 - コンセプトは課題中盤くらいまでに固めましょう。
設計が終わってから、言葉にするのは非常に難しく上級者向けです。 - 提出まで残り1週間、改めて丁寧に言語化しましょう。
評価に直結することですので、念入りに。
自分は提出前の最終週に20~30時間前後掛けていました。
これらの項目を自問自答したり、友人と互いに確認してみましょう。
- 実現することで何か問題が解決されますか?
- 実現したらワクワクする内容になっていますか?
- 机上の空論になっていませんか?
- 極めて主観的な内容になっていませんか?
感覚的な部分も多いので、徐々にフィーリングを合わせられると良いですね!
- コンセプトと設計内容を「何度も」見比べて、互いにすり合わせましょう。
やりすぎくらいがちょうど良いです。 - 項目別(配置、ゾーニング、プランニング、断面、立面など)にコンセプトに合った計画になっているか確認しましょう。
項目ごとにすることで、判断しやすくなります。 - コンセプトor設計内容が良くないと気付いたらためらわずに変えましょう。
育てたアイディアがかわいい気持ちは分かりますが、、 - 友達に説明して、色々質問してもらいましょう。
「ここはなんでその形なの?」など根掘り葉掘り聞いてもらって、それに答えられるようにしましょう。
- 工夫したポイントのみ説明しましょう。
標準的な部分は説明せずとも分かってもらえています。 - コンセプトに関係する部分を重点的に説明しましょう。
コンセプトの関連部分がその案の「個性」になります。 - 「建築的な」特徴を説明しましょう。
個性と言っても「用途や素材などの特殊性」ではなく、「どう建築的に工夫したか」を説明しましょう。
プレゼンボードや模型の表現も、コンセプトに合ったものにしましょう。
以下の項目をご確認ください。
- コンセプトを表現するのに適切ですか?
- 関係のない装飾がたくさん付いていませんか?
- 表現に掛ける作業時間は適切ですか?
そもそもの設計時間が削れすぎていませんか?計画的に取り組みましょう。 - 必要以上に手を広げすぎていませんか?
余分にパース枚数や模型の数を増やすのはやめましょう。
「頑張ってはいるけれども結果が出ない」という学生の特徴と、その解決策を説明しました。
当てはまる項目がある方は、この記事をチェックリストのように活用して設計課題に挑んでください!